fc2ブログ

ダメ社員が公開! 原発テロ小説!

ダメ社員が「原発破壊マニュアル」をブログ形式で公開します。「縦書き」や「携帯」で公開中のサイトもあります。

02<< 12345678910111213141516171819202122232425262728293031 >>04

本ブログは、しばしお休みをいただきます

【ダメ社員】です。いつもごひいきにありがとうございます。

個人的な理由で申し訳ありませんが、
ある不幸なできごとにより、しばらく喪に服すため、本ブログの更新をしばらく中止させていただきます。

落ち着いたら再開すると思いますが……
今しばらくは考えられません。

突然で申し訳ありません。
ブログランキングで投票いただいた方、コメントいただいた方、本当にありがとうございました。

スポンサーサイト



第10章 作戦開始12

 7 十時前 山口県庁 (スィーン十二)

 間違って事故でも起こさないよう、『十二』はゆっくり運転した。何台かにクラクションを鳴らされ、ついには強引に追い抜かれても、黄色のマーチは頑固に制限速度を守り続けた。
 待ちに待った日だった。すべての苦しみから解放され、天の楽園へと旅立つ日……。
 当初の予定のちょうど五時間前、『十ニ』は山口市のパークロードに入った。市役所、県立美術館、博物館を順に過ぎ、突き当たりの県庁を左折する。正面には小高い鴻ノ峰の緑が映える。夏休み最後の日曜日にしては、人出はかなり少なかった。
 二回検問があり、その都度免許証の提示を求められた。一回はトランクの中まで調べられたが、車の底に仕掛けた爆弾を発見されることはなかった。
「どちらまで行かれますか」
「……県庁の県民中央相談センターです」
 思いがけぬ質問に『十二』は焦った。相談センターは日曜日もやっているのだろうか。しかし警官は特に疑いをもったようすもなく、『十二』はすぐに解放された。
「今日は物騒ですからね。早めに帰ったほうがいいですよ」
 親切ごかした警官にあいまいな返事をし、県庁内の駐車場にマーチを入れる。わざと間違ったふりをして、職員用の駐車スペースに車を止め、誰かに注意される前に素早く車を離れた。
 太陽がさんさんと照りつけていた。県警の裏に出て、足早に数分歩くと山口大神宮にぶつかる。額には汗がにじむ。背中はもう滝のようだ。木陰に入ると少しだけ涼しくなった。籾置石の横を抜け、石祠の側を過ぎると鴻ノ峰の登山道に入る。石段は苔むしており、ほとんど踏まれていない。道の両側は薮で、白黒縞の蚊の大軍が舞う。十分ほど登ると、県庁を見通せる場所があった。黄色のマーチがはっきり見える。
 次々と襲来する縞蚊を手で払いながら、独りきりのチーム・スィーンは待機の姿勢に入った。


***************************************
ミステリー関連の人気ブログへ
【ダメ社員】はブログランキングに参加しています。
①「優秀!」なら……下2つをポチ、ポチっとお願いします。(別ページに飛んで【ダメ社員】にポイントが入ります)
②「まぁ合格」なら……1つクリックいただけると嬉しいです。 
③「バカ、阿呆」罵倒は「拍手」をクリック下さい。反省します。


にほんブログ村 小説ブログ 小説家志望へ 人気ブログランキングへ

第10章 作戦開始11

 蝦蟇の自宅は幹線から一本内側に入った住宅街にあった。同じような一軒家が立ち並ぶ中、玄関横のマリーゴールドの花が黄色とオレンジ色で自己主張していた。
「起きていますかね」
 警官のためらいをよそに、わたしは勢いよくインプレッサを降りた。たちまち熱気が押し寄せる。朝からぎらぎらとした太陽が照りつけて射る。寝ていれば、叩き起こすまでだ。
 ベルを鳴らしても応答がない。玄関鍵には鍵がかかっていなかった。
「警察です。蝦蟇さんいらっしゃいませんか」
 呼びかけながら扉を開けると、生臭い匂いが鼻をついた。あの日、切断された指から立ちのぼった匂い。間違いない。血だ。それも大量の。
 しばらく息を潜めたが、人の気配は感じとれなかった。警官の一人に応援の要請を頼むと、二階に向かった。やっぱり蝦蟇が犯人だ。それも単なるこそ泥じゃなく、殺人犯の! 匂いが徐々に強くなる。寝室と思われるドアを開けた途端、むっとくる悪臭が襲いかかってきた。ベッドは血にまみれていて、若い女性が死んでいた。股間が鮮血に濡れている。苦痛に歪む顔には見覚えがあった。乙田亜衣、広島のテロ事件の行方不明者。
不意に表で爆発音が聞こえた。はっとして窓を見ると、朱に染まった制服警官が倒れていた。向き直った瞬間、背後に殺気を感じた。身をかわす間もなく、頭に強い衝撃を受ける。なにも抵抗できず、そのまま意識を失った。


***************************************
ミステリー関連の人気ブログへ
【ダメ社員】はブログランキングに参加しています。
①「優秀!」なら……下2つをポチ、ポチっとお願いします。(別ページに飛んで【ダメ社員】にポイントが入ります)
②「まぁ合格」なら……1つクリックいただけると嬉しいです。 
③「バカ、阿呆」罵倒は「拍手」をクリック下さい。反省します。


にほんブログ村 小説ブログ 小説家志望へ 人気ブログランキングへ

第10章 作戦開始10

 6 八時~九時前 平生・蝦蟇平助宅 (若竹桃子)

 二錐さんがいなくなったのが幸いだった。反対者が一人少ないチャンスを、若竹桃子は最大限に生かした。
「どう考えても蝦蟇平助は不自然です。身代金のねこばばどころか、横領もやっているのかもしれません」
「そうかもしれんが、なに一つ証拠がないんだ。こっちはA子探しとテロ警備で人手を裂けないし、二課に任せればいいんじゃないか?」
「そのA子殺しの犯人に直接つながる可能性だってあります。お願いです、課長。逮捕状を請求してください」
「二課がなんというかだが」
「手柄は全部二課でいいです。取り調べさえさせてもらえれば、すぐに二課に引き渡します」
 デカ長がなにを言おうと、一歩も引くつもりはなかった。『身代金をむざむざ奪われた』金木さんの汚名を、一刻も早く解消したかった。
 やっとデカ長を説得すると、わたしは意気揚々と蝦蟇の確保に向かった。確信があった。愛澤真優美や永川直人にどう絡んでくるか知らないが、蝦蟇こそが事件の鍵だと。
 隼山原発に確認したところ、その日、蝦蟇は週休だった。午前中なら自宅で捕まるだろう。すぐに車で出発する。案内と護衛を兼ねて、二人の制服警官が後部座席に座る。一人がしきりに助手席に来たがるのを、きっぱりと拒絶した。


***************************************
ミステリー関連の人気ブログへ
【ダメ社員】はブログランキングに参加しています。
①「優秀!」なら……下2つをポチ、ポチっとお願いします。(別ページに飛んで【ダメ社員】にポイントが入ります)
②「まぁ合格」なら……1つクリックいただけると嬉しいです。 
③「バカ、阿呆」罵倒は「拍手」をクリック下さい。反省します。


にほんブログ村 小説ブログ 小説家志望へ 人気ブログランキングへ

第10章 作戦開始09

 武器を配る。火力が一番必要とされるのはダールで、カラシニコフとパンツァーファウスト3を装備する。
「運べる限りの弾を持ってけ。好きに撃っていいぞ」
 ニザールが言うと、三人は狂喜した。それぞれがリュックを持ちだし、いろいろと詰めこみ始める。『四』と『六』が薄笑いを浮かべる。「持ち過ぎると動きが遅れ、逃げられなくなるぞ」などとわざわざ教えてやるまでもない。アリフとジームが撤退する間の楯になってくれれば、それで十分だ。片上美湖がしきりにカラシニコフの照準をのぞきこむ。恋人に狙われたときに金木がどういう気持ちになるか、実に楽しみだった。
 アリフは小型のウージー軽機関銃にした。大量の特殊装備を運びこむ必要があるからだ。うまくいけば、このチームが実弾を撃つことはあるまい。アリフの目標はあくまで原子炉格納容器であって、人ではない。
 ジームとスィーンは武器を隠し持つ必要がある。点検を終えたベレッタM92を、ニザールは上着のポケットに押しこんだ。そして絶体絶命時の非常用として、左袖口に細刃のナイフを忍ばせる。
「アッラーのご加護を」
「異教徒に死を」
 最後にお互いに言い合って、アリフ、ジーム、ダール、スィーンの四チームは行動を開始した。


***************************************
ミステリー関連の人気ブログへ
【ダメ社員】はブログランキングに参加しています。
①「優秀!」なら……下2つをポチ、ポチっとお願いします。(別ページに飛んで【ダメ社員】にポイントが入ります)
②「まぁ合格」なら……1つクリックいただけると嬉しいです。 
③「バカ、阿呆」罵倒は「拍手」をクリック下さい。反省します。


にほんブログ村 小説ブログ 小説家志望へ 人気ブログランキングへ

 | ホーム |  »

プロフィール

KurogamiTakumi


【ダメ社員】が小説を公開するブログです。

黒神賢・巧 親子で書いた長編オリジナル小説
「原発破壊マニュアル」を、普通のブログ形式で公開します。
数年前の「このミステリーがすごい」大賞、
1次予選通過⇒2次予選落ちの作品です。

テロリストが原発を襲います。
守るのは海上保安庁から出向してきた中隊長。
拉致誘拐・密室殺人と、緊迫したストーリが続く……つもりでいます。

音声読み上げソフトを使用される方、
下記サイトが「重い」とお感じの方は、本ブログをご利用ください。

なお……小説を【PC・縦書き】で読まれる方は
「ダメ社員の妄想的小説論」

【携帯・縦書き】で読まれる方は
「渋い大人の携帯小説」

もあります。さらに……日記を
「ダメ社員の作家志望日記/超短編小説」

に書いています。ぜひ……遊びに来てください。


にほんブログ村 小説ブログへにほんブログ村 小説ブログ ミステリー・推理小説へにほんブログ村 小説ブログ 小説家志望へ

アンケート

ブログランキング

カレンダー

02 | 2024/03 | 04
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR